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高村光太郎

 

 
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孤独が何で珍らしい
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梅酒
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あの頃
報告
 
 
孤独が何で珍らしい   高村光太郎
 
 
孤独の痛さに堪へ切つた人間同志の
黙つてさし出す丈夫な手と手のつながりだ
孤独の鉄しきに堪へきれない泣虫同志の
がやがや集まる烏合の勢に縁はない
孤独が何で珍らしい
寂しい信頼に千里をつなぐ人間ものの
見通しのきいた眼と眼の力
そこから来るのが尽きない何かの熱風だ
 
 
 
 

●ルビ
鉄しき(かなしき)

 
 
 
 

底本:日本の詩 第5巻 高村光太郎集 伊藤信吉編 集英社刊

 

 
 
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