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宮沢賢治

 

 
永訣の朝
札幌市
青森挽歌

林中乱思
眼にて云ふ

雨ニモマケズ
雨が霙に変ってくると
 
 
札幌市   宮沢賢治
 
 
遠くなだれる灰光と
貨物列車のふるひのなかで
わたくしは湧きあがるかなしさを
きれぎれ青い神話に変へて
開拓紀念の楡の広場に
力いっぱい撒いたけれども
小鳥はそれを啄まなかった
 
 
 
 

●ルビ
楡(にれ) 啄まなかった(ついばまなかった)

 
 
 
 

底本:日本の詩 第10巻 宮澤賢治集 天澤退二郎編 集英社刊

 

  
 
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