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継ぐ 竹本祥子
千本の木と向き合うと
知らされる 世上の広さ
ひろい ひろーい
よみ方も歩き方も わからない
羅針盤よ この手に
人の心に向き合いたくない
向き合うと ブラックホールに堕ちて行く
川面に立ち
風にあたり
消臭剤と芳香剤でオノレをごまかし
掃除機で病原菌を吸い取り
一本の木に栄養剤をひたすら ふりかけ
電卓をはじいて
その月の給金とそれによって賄われる
電話代にも
栄養剤をふりかけ
美白よりコラーゲンを欲するオノレの
浅知恵に安堵し
四十路を過ぎた者の部屋の
どこにも鏡がないと喚きたてる
千本の木も一本の木も
植物だと認識していないだろう
オノレに
誰かがいつか線香をあげてくれるかと
慮るが
そのときには おそらく母さんは もういないのだよ
だから 植物に水を与えて下さい
これからも
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継ぐ
●著者 竹本祥子
●出版社 日本自由詩協会
●ISBN 978-4-9902343-5-5
●価格 500 円(税込)
●サイズ ポケットサイズ
●36
●2006年12月26日 発行
●在庫数 あと1冊
●内容
現在 ある師匠のもとで修行中です。
受賞暦は10年前に地元の文芸コンクールで2席でした。
関連サイト→
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